3/21/2015

オーストラリア オペラハウス

世界遺産であるオーストラリアオペラハウスを初めてこの目で見た時の喜びはひとしお!しかも、シドニー湾を周遊する夜のクルーズ船から見ることができました。柔らかい光に浮かび上がったオペラハウスは、それまでポストカードや写真などを見て、感じていたものとはまた違った印象。

日本では、有名な建物の多くが存在感のあるライトアップをされていたりしますが、シドニーのオペラハウスは主張しすぎず、周りの景観と調和のとれた落ち着いたライトアップになっています。その日は金曜日の夜ということもあり、ドレスアップしたローカルの人で賑わう船内。

オペラハウスを最も近くで見られるポイントでは、デッキがにわかに賑わいます。カクテルグラスを片手に乾杯をする人、ハグやキスをしながら写真を撮る甘いカップル、写真撮影に余念のない人。そんな彼らに囲まれて、改めてここがシドニーであることを認識する瞬間。

船のデッキで心地いい夜風を受けながらオペラハウスを目の前に、カメラのシャッターを夢中で切りました。日本に比べてシックなライトアップにどこか物足りなさを感じる人もいるようですが、個人的には淡く柔らかいシドニーの夜景に彩られたオペラハウスが好きです。

ただ、カメラの種類によってはなかなかきれいに写真が撮れなかったりします。夜景モードでは顔が暗くなってしまったり、フラッシュを使って人物をきれいに撮ることができてもオペラハウスが真っ暗になってしまったり。

また、船上から撮影するので、当日の風や波、旋廻する船の微妙な揺れでブレたりもします。ブレは手ぶれ補正機能や撮影者の身体的な努力で何とかカバーできますが、カメラの機種による問題は運航している船上では時間的制限もあり素早い解決策を見出すのは素人にはなかなか困難です。

こういう場合、案外携帯のカメラが優秀だったりします。夜のオペラハウスを狙う時はこの二つは必須。もちろん高性能カメラをお持ちの方は必要ないかもしれません。とはいえ、ライトアップされるオペラハウスも素敵ですが、やっぱり自分の足でオペラハウスの間近に行くと「来た!」という実感を味わえます。

仰ぎ見るオペラハウスは遠くからでは分からない発見がいっぱい。まずその外観の色はクリーム色で、タイル張り。太陽の反射を受けると白色に見える仕掛けになっているようです。オペラハウスの外観は船の帆や貝殻をイメージされるのが一般的ですが、海洋生物が好きな私は、見る角度に
よってどうしてもクジラを連想してしまいます。

ガラス壁からのぞくオペラハウス内の木材の枠組みがクジラの喉のヒダに見えたり、オペラハウスを望むベストポイントの一つであるミセス・マッコリーズ・ポイント(Mrs Macquarie’s point)からの景観が、クジラが大きなジャンプをするブリーチング姿に見えたり。

その特異な外観から色々なものを連想するのも、一つの楽しみ方なのかもしれません。オペラハウスの詳細な歴史や構造などを知るには館内ツアーに参加するのが一番。もちろん日本人ガイドによるツアーもあります。

ひとくくりにオペラハウスと呼ばれていますが、実際には大きく分けてオペラシアターとコンサートホールの二つから成っています。ツアーではコンサートホールを散策。まず、始まりはビデオ鑑賞から。オペラハウス完成までの紆余曲折を短時間で知ることができます。

デザインの選考秘話や建設費用の莫大さと規模の大きさなど、オペラハウスが世界遺産となり得たエピソードが盛りだくさん。稀有な建物であることを納得できます。館内の構造のためでしょうか、ビデオの音声やガイドさんが説明する声の響きのいいこと。天井や壁面は組み合わされた木材が作り出す独特な構造。オペラハウスの外観もさることながら内観も訪れた人を魅了するものがあります。

ガラス壁の一角はシドニー湾を一望するベストスポット。天気のいい日は、太陽の光にフロア一帯が包まれてまぶしいくらい。真っ青な空とシドニー湾を行き来する船、乱反射する水面を望む景色。椅子に腰かけてゆっくりとここで時間を過ごすのも特別なひと時となるでしょう。

個人的には夜の景色を館内から見たことはまだありませんが、きっと日中とは違った趣で素敵なのではないでしょうか。そしていよいよホール内へ。リハーサルの都合により入ることができない場合もあるそうですが、その日はポップミュージックアーティストが簡単なリハーサルを行っているところでした。

ガイドさんに促されて座席に着席し、ホールの構造の説明を受けます。演奏が流れる中でしたが、ガイドさんの声がしっかりと聞こえました。ホール内にはそれぞれのイベントによって音響を変える仕掛けがあり、構造のこだわりを知ることができます。また、ステージ中央部に見える堂々たる姿のパイプオルガンは、世界屈指の大きさ。

めったに演奏されることはないようですが、きっと音響の素晴らしいこのホールで聞くことができたら、それは素晴らしい音色に違いないでしょう。それぞれのイベント詳細はオペラハウスの公式ホームページでチェックすることができます。また、チケットの購入も可能。もちろん、館内のチケット販売窓口で購入することもできます。

オペラハウスを本拠地としている国立オペラ歌劇団オペラ・オーストラリアによる公演は、1年のうち8ヶ月ほど。オーストラリアの現代オペラの発展に貢献し続けているそうです。その名を冠したオペラハウスでオペラを見る優雅な時を、ぜひ、ドレスアップをして過ごしてみたい!

ちなみに、その日のガイドさんのお勧めは交響楽団のコンサート。バイオリンなどの弦楽器の響きがお気に入りとのこと。シドニー交響楽団の本拠地もここオペラハウスです。それ以外にもポップやロックミュージック、クラシックバレー、ダンス、地元シドニーの子どもたちによる催しなど、年間を通して様々なジャンルのイベントが大小問わず目白押し。

また、館内には絶好のロケーションを誇るレストランのほか、カフェ、ギフトショップ、オーストラリアワインやカクテルなどを楽しめるバーもあります。シドニーのランドマークであるオペラハウスを内外から存分に体感したいものです。

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